71 巻 (1968) 10 号 p. 1638-1641
金属パラジウムを触媒として気相でエタノールと酸素から酢酸エチルが得られることを前報で報告したが, この反応を液相で試みたところメタノールからギ酸メチルが得られ, その選択率は98%以上に及んだ。実験は半回分式反応装置を用い, 活性炭に金属属パラジウムを担持した触媒の粉末をかきまぜながらメタノールに懸濁し, 酸素を通じつつ常圧で反応の諸因子の検討を行なったところ, 反応温度50℃ でメタノールの転化率は最大となった。また35℃で初期酸素吸収速度は分圧に対し0.3atm付近で最大となったQ酸素分圧0.41atm ,温度50℃,4時間の反応でメタノールの転化率22.6%,ギ酸メチルの選択率98.8%が得られた。副生成物は二酸化炭素である。
気相反応では反応の初期を除き長時間にわたって触媒活性はほとんど変化がないが, 液相反応では著しい活性低下が見られた。その理由について種々検討したが, まだはっきりした結論は得られていない。