71 巻 (1968) 3 号 p. 399-403
ジアルキルスズオキシドと低級脂肪酸とをモル比1:1で,またフェノールとを1:1あるいは1:2で加熱反応させ,ひきつづき反応生成物を常圧下で昇華あるいは減圧下で蒸留すると,トリアルキルスズ型化合物がかなりの収率で得られることを見い出した。ジメチルスズオキシドからはトリチルズズカルボキシレート,トリメチルスズフェノキシドがそれぞれ64~72,83%の収率で,さらにジブチルスズオキシドからはピストリブチルスズオキシドが57~84%の収率で得られた。
一方,XR2SnOSnR2X〓型ジスタノキサンを常圧あるいは減圧下で熱分解を行なうと,それぞれ対応するトリアルキルスズ型化合物R3SnX,R3SnOSnR3がそれぞれ50~86,55~72%の収率で得られた。
前者のジアルキルスズオキシドと脂肪酸あるいはフェノールとの反応においては,そのモル比はそれぞれ対応するジスタノキサンを生成しやすい条件であると考えられる。またそのときのトリアルキルスズ型化合物の収率は後者のジスタノキサンの熱分解反応のさいの収率と大差はない。以上の結果から一段でトリアルキルスズ型化合物を得る前者の反応は,反応の中間にそれぞれ対応するジスタノキサンを経ているものと考えられる。