工業化学雑誌
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ポリプロピレンと無水マレイン酸の反応
上田 稔水沼 進大羽 希男箕浦 有二
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71 巻 (1968) 3 号 p. 432-437

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抄録

無水マレイン酸はラジカル試剤の存在, または日光の照射下で, ポリプロピレンに付加することを明らかにした。この反応の反応速度はポリプロピレン濃度, 無水マレイン酸濃度に比例し, ラジカル試剤濃度の1 / 2 乗に比例した。また, 反応速度が80~120℃ では, 温度の上昇とともに, 反応速度は大になる傾向を認めた。また, 4 種の異なった特性を有するラジカル試剤( 過酸化ペンゾイル, ジクミルペルオキシド, ジ-t-ブチルペルオキシド, およびアゾピスイソブチロニトリル) の反応速度におよぼす影響を比較したが, その結果ジクミルペルオキシドが反応速度により大きい影響をおよぼすということが明ちかになった。なお, いずれの場合も, ポリプロピレンは反応中ゲル化しなかった。
また, 無水マレイン酸を付加したポリプロピレンを金属化合物と反応させると, その反応生成物は, 溶媒に不溶となるだけでなく, 見かけの融点の上昇, 弾性の増加を示した。また, IR スペクトルにより, -COO- による特性吸収帯が認められたので, この反応生成物はイオン化していることが明らかにされた。これらの事実より, この反応生成物はイオン性架橋体( アイオノマ- 構造を有するポリマー) であると考えられた。

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