71 巻 (1968) 4 号 p. 572-576
N-置換マレイミド類の構造と重合性を研究する一環として,N-(2-プロピオニルオキシエチル)マレイミド(POEMI)およびN-(3-アセトキシプロピル)マレイミド(APMI)の単独重合と共重合について検討した。ベンゼン溶液中,アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とするラジカル重合において,POEMIでは生成ポリマーが溶媒可溶の均一系で進行したのに対し,APMIにおいては不均一重合となった。70℃における重合速度式はそれぞれ次式で与えられた。
Rp=K1[M]1.5・[AIBN]0.75(POEMI)
Rp=K2[M]0.5~1.0[AIBN]0.82(APMI)
全重合反応の活性化エネルギーはPOEMIで28.0kcal/mo1,APMIで28.1kcal/molであった。酢酸ビニル(M2)とのラジカル共重合の結果よりPOEMI(M1)ではγ1=1.02,γ2=0.03,APMIではγ1=1.50,γ2=0.03が得られた。またPOEMIのQ,e値としてQ=0.54,e=1.57,APMIではQ=0.55,e=1.46と求められた。両者の重合性の差はQ値に等しく,e値にわずかに相違した。