1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物(BDA)とベンジジン(BZD)およびヘキサメチレンジアミン(HMDA)から脂肪族ポリイミドを合成し,それらの熱分解について動力学的解析を行ない比較検討した。これらの研究は一般に一連の定温下の測定で行なわれるが,本研究では昇温下で熱分解を測定した結果を動力学的に解析した。脂肪族ポリイミドの熱分解は四段階より成ることが確かめられた。主要な反応である脱炭酸と炭素鎖切断の分解は接近して起こり,脱炭酸は解析できなかった。炭素鎖切断の活性化エネルギーを,前報の結果も併せて,比較すると,ピロメリット酸二無水物(PDA)とBZDからのポリイミド,BDAとBZDからのポリイミド,PDAとHMDAからのポリイミド,BDAとHMDAからのポリイミドの順位となり,熱安定性から予想される結果と一致した。
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