気相圧の測定に基づいて塩化マグネシウム溶融塩の酸化反応を平衡論的および動力学的に考察した。塩化マグネシウム-塩化セシウム溶融塩における塩化マグネシウムの過剰化学ポテンシャルの負の大きな値はテトラクロロマグネシウム錯イオンの生成によるものと考えられる。また, 塩化マグネシウム/酸素, 塩素系の化学ポテンシャル状態図から, 酸化反応の駆動力は塩化マグネシウムが固体の範囲では温度の増加とともに増大するが, 融点以上では逆に温度が増加すると減少することがわかった。
酸化反応における塩化マグネシウム, 酸素の反応次数および気相圧-時間曲線から, 反応初期における律速過程は塩化マグネシウムのモル分率が大きい溶融塩では化学反応過程であり塩化マグネシウムのモル分率が小さい時には溶融塩相内における塩化マグネシウムの物質移動過程であろうと推定されたが, 反応の進行とともに逆反応および酸化マグネミウム粒子の沈降過程の影響が大きくなるため全反応期間にわたって気相圧-時間曲線を解析することは困難であった。