工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
塩素化ピッチを原料とする炭素材の製法と性質
大谷 杉郎大谷 朝男長島 孝司
著者情報
ジャーナル フリー

73 巻 (1970) 10 号 p. 2095-2100

詳細
PDFをダウンロード (3143K) 発行機関連絡先
抄録

ピッチカーボンをつくる上でもっとも重要な工程であるピッチの前処理の一つとして塩素化について総括的な検討をおこなった。窒素を吹き込んで乾留したコールタールピッチを粉砕し, 流動床方式によって 150, 200, 250℃ の各温度で塩素ガスを用いて処理した。また大型試験管を用いて原料コールタールピッチを 400℃ で塩素ガスを吹き込みながら乾留した試料も作成した。これらの塩素化ピッチを 100 メッシュ以下に粉砕した後, 直径 20mm, 厚さ 3~4mm の円板に成形し, 窒素気流中で 2800℃ 以下の種々の温度で焼成した。
塩素化の方法, 特に塩素ガスで乾留する方法は次のような利点をもつことがあきらかとなった。(1) 工程が簡単である。(2) ピッチの軟化点を上げる効果が大きい。(3) えられるピッチカーボンの諸性質を広範に変えられる。
一般に塩素化ピッチの軟化点が低い程, えられるピッチカーボンは高密度, 高硬度となった。2800℃ で焼成した試料の諸性質の範囲はショアー硬度 20~95, 見掛真比重 1.62~2.11g/ml, 見掛有孔率 15~42% などであった。またそれらの黒鉛化性も難黒鉛化性から易黒鉛化性のものまでえられた。

著者関連情報
© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
前身誌

東京化學會誌

feedback
Top