73 巻 (1970) 10 号 p. 2218-2221
酸残基中に-SCH2CH2COO-や-O-結合を含むジアルキルスズビス置換カルボキシラートを合成し(前者をI型,後者をII型と略称する),標準品ジブチルスズジラウレート(Bu-llと略称)と比較しつつ,塩化ビニル樹脂の安定剤としての性能を検討した。
I,II型ともBu-llに比較して初期および長期の熱安定性にすぐれていたが,一般的にジメチルスズ系,短鎖長のものが良好な効果を示した。本結果につき熱分解ならびに示差熱重量分析結果をもとにして考察し,着色防止効果には熱分解生成物が関与しており,かつアクリレート系生成物が主に寄与しているものと推察した。I,II型とも透明性,加工性,滑性等においてBu-llと遜色なかったが,短鎖長のものの一部に吐出現象がみられた。