工業化学雑誌
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バナジウムを含むオキシシアン化触媒の表面特性
中島 齊
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1971 年 74 巻 12 号 p. 2468-2470

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抄録

エチレンのオキシシアン化用のパラジウム-塩化セシウム-バナジア-アルミナ触媒の研究を行なった。反応の中途でシアン化水素の供給を停止しても,なお 100 分以上にわたってアクリロニトリルの生成が継続した。この種のパーターベーションに対する触媒の応答を調べ, 以前行なったパラジウム触媒の場合と比較した。パラジウム-塩化セシウム-バナジア-アルミナ触媒は反応中はシアン基に覆われているものと思われる。触媒がシアン基で覆われているため, 炭酸ガス, 一酸化炭素, アセトニトリルならびに塩化ビニールの生成がかなり抑制され, その結果, エチレンのオキシシアン化によりアクリロニトリルが選択率よく得られた。塩化水素を添加すると, パラジウムとシアン基の結合が活性化されオキシシアン化反応が促進された。総括すると, 酸化バナジウムをオキシシアン化触媒に添加しても, 触媒表面の特性はあまり変わらない。

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