工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
サッカリンおよび芳香族ジアミン類よりビスアゾメチン顔料の合成
井上 定夫関口 辰夫
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 74 巻 12 号 p. 2515-2519

詳細
抄録

不活性有機溶媒中で, サッカリンを五塩化リンとともに加熱しその塩素化合物を生成させたのち芳香族ジアミン類と反応させてピスアゾメチン型の顔料を合成した。サッカリンを顔料合成の原料として使用した例はなく, 生成した顔料も従来の文献にみられない新しい顔料であるためその合成法および性質を明らかにすることを目的とした。
サッカリンを不活性溶媒, たとえぽクロルベンゼンまたは o-ジクロルベンゼンの中で五塩化リンと 120℃ に加熱すると容易に塩素置換が行なわれ, これに芳香族ジアミンの溶液を加えると 40~50% の収率で顔料を得た。しかしジアミン類として o-および m-フェニレンジアミン, 4,4'-ジアミノジフェニルエーテル, 4,4'-ジアミノジフェニルメタンおよび 4,4'-ジアミノジフェニルスルホンを使用した場合は顔料は得られなかった。
生成した顔料は使用ジアミンの種類により色調を異にするが, 一般に黄色またはカッ色を示し, 耐有機溶媒性, 耐酸, 耐アルカリ性は良好であり, 耐光性も 6~7 級を示し特に 1,4-, 1,5-, 2,6- ジアミノアントラキノンより得られた顔料は8級で非常にすぐれていた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top