工業化学雑誌
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カルボキシル基, カルボニル基を含むセルロースへのメタクリル酸メチルのグラフト共重合
高橋 璋高橋 史朗
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1971 年 74 巻 12 号 p. 2541-2545

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抄録

硝酸第二セリウムアンモンを開始剤として, カルボニル基およびカルボキシル基含量の異なるセルロース試料にメタクリル酸メチルをグラフト重合させ, 開始剤濃度, モノマー濃度, 反応温度および官能基の重合におよぼす影響を検討した。
グラフト率は開始剤濃度が 3~5mmolのとき最大値を示し, モノマー濃度の一次に比例して増大した。初期の重合速度からみかけの活性化エネルギーを求めると 3.8kcal/molが得られた。
僅かにカルボニル基を含む試料へのグラフト率がそれを含まない試料に比べて大きく, カルボニル基とセリウム塩のレドックス反応により重合が促進される。カルボニル基が約 10mmolより多くなると分岐ポリマーは短かくなり, グラフト量は減少した。また, カルボキシル基はグラフト重合に関与しない。
これらのことから C(2), C(3) の水酸基へのグラフト重合がセルロースの鎖末端へのそれに優先するものと考えられる。

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