74 巻 (1971) 6 号 p. 1061-1064
α-酸化鉄(ヘマタイト)粉末の水および有機液体への湿潤熱を測定し,湿潤熱の粒度依存性について検討した。
試料は比表面積が8.57~43.5m2/9の範囲にある粒子の大きさの異なる数種類の立方状α-酸化鉄(ヘマタイト)であり,また湿潤有機液体としては,無極性の炭化水素および有極性でしかも双極子能率の異なるπヴチル誘導体を用いた。
水による湿潤熱は粒子径の増大にともない増加する傾向を示し,また表面水酸基濃度とは一次関数関係にあることが見出された。これに対して,有機液体による湿潤熱は,粒子の大きさによる変化はわずかであるが,液体の双極子能率と湿潤熱とから求めた平均表面静電場の強さは,約2×105esu/cm2で,粒度の減少により減少する粒度依存性が認められた。