74 巻 (1971) 8 号 p. 1544-1549
シリカゲルに担持したパラジウムならびに塩化パラジウム触媒によるプロピレンのオキシシアン化を行ない, 生成する異性体 (メタクリロニトリル, シスおよびトランスクロトノニトリルならびにアリルニトリル) の比率を決める要因について検討した。
パラジウム触媒でのメタクリロニトリル:クロトノニトリル:アリルニトリル比は反応開始時で 5:40:55, 定常状態で 34:50:16 であり,塩化パラジウム触媒では反応開始時, 20:42:37 であった。クロトノニトリルのシス体とトランス体の比率は常に平衡比率であった。アリルニトリルは主としてπ ・アリル配位をしたプロピレンから生成し, メタクリロニトリルはπ配位をしたプロピレンから生成し, クロトノニトリルは両方のプロピレンから生成するものと思われる。パラジウムにシアノイオンなどの配位子が加えられると, プロピレンがπ配位をするようになるのであろう。パラジウム上での生成ニトリルの逐次異性化を検討した。二重結合移行異性化ならびにシス-トランス異性化が起るが, 骨格異性化は起こらない。