抄録
前報において重水素濃度測定用反応ガスクロマトグラフの試作についてのべたが, 試作された装置を用いて水, 有機化合物あるいはその混合物中の重水素の定量を行ない, 精度および連続分析法などについて検討した。
重水については比重法で測定したモル分率とピーク面積分率との間に 0~100% にわたって直線関係があり, 各同位体の分子率は平衡定数 K=4 として計算した理論曲線とよく一致した。またメタノールなどの活性水素を重水素化して分析した結果も理論値とよく一致した値を示した。混合試料については水-アセトンの二成分系について前分離カラムから分離されてきた各成分の重水素化度を連続的に求めることができた。