74 巻 (1971) 9 号 p. 1842-1844
α,ω-ジブロムアルカン (C2~C10) とピリジンおよびトリエチルアミンとからビス四級塩を生成する反応を炭酸プロピレン中 75, 86, 100℃ において試み, Frost-Schwemer 法によって反応速度を求めた。動力学的データは二臭化エチレンにおいて特異的であり, 二つの四級化の速度定数 k1, k2 の比 1/k=k1/k2 は非常に大きい値 (トリエチルアミン31.5, ピリジン8.69 (75℃) )を示し, 温度依存性も認められた。k1, k2 は臭化アルキルによる四級化の速度定数kより小さい値が得られた。C4以上の高級ジブロムアルカンでは反応性に大きな差を認めなかった。これらの臭化物でも k1>k2 であり, k1>k であるが, k2はkに近似した値が得られた。アミンの種類も 1/κ に影響し, トリエチルアミン (約3.0) ではピリジン (約2.0) より大ぎな値を示した。以上の動力学的データに基づきジブロムアルカンの反応性について, 臭素および四級アンモニウム基の誘起効果と立体効果から検討を加えた。