60 巻 (1939) 1 号 p. 39-44
(1) 金屬鹽溶液に砒酸ソーダを加へるときに生ずる沈澱の組成を知る目的を持つて硝子電極を使用して滴定を行つた.
(2) 硝酸ベリリウム,硝酸クロム,硝酸ウラニル以外の金屬鹽を滴定した場合には滴定の進行に伴ひ一時pHが下降した.
(3) 硝酸銀,硝酸ランタン,硝酸第一セリウムを滴定した場合には正砒酸鹽に近いものを得た.硝酸鉛,硝酸トリウムに於ては第一階段に於て消費される砒酸ソーダの量が計算量より僅に少く,第二階段に於ては後者に於ては砒酸鹽の分解が行はれる.
(4) 硝酸銅,硝酸ベリウム,硝酸アルミニウム,硝酸クロム,硝酸第二鐵に於ては第一階段に於て砒酸鹽と水酸化物の混合物を生じ,第二階段に於ては生じた砒酸鹽の分解が行はれる.
(5) 硝酸亞鉛,硝酸カドミウム,硝酸コバルト,硝酸ニツケルに於ては第一階段に於ける反應と第二階段に於ける反應が重なり,曲線上兩者を區別することは困難である.
(6) 硝酸ウラニルを滴定した際得られる沈澱の組成は沈澱の分析に待つべきと考へる.