61 巻 (1940) 5 号 p. 495-498
著者等はNucleotidの構造とAscorbin酸オキシダーゼ作用との關係を吸收スペクトルによりて探究せリ.其結果はPyridin-nucleotid及びGuanyl酸は共に不安定燐酸基の脱離により酵素作用は微弱となり,同時にNucleotid特有の吸收スペクトル260mμの部分に變化を起し,吸收微弱となりて吸光係數を著しく變化することを確認せり.仍って斯の如き事實の存在を豆モヤシより得たる酵素試料及び酵素力を有する卵Vitellinに就きて確めたるに下の如き相一致する結果を得たり.
(1) 豆モヤシより得たる酵素試料は明かに吸收スペクトルを260mμの部分に有し.然もParanuclein酸の調製處理によりて愈々吸收帯を顯著に確認せしむ.
(2) Paranuclein酸調製處理によりて得たる豆モヤシ試料はNu_??_leotid反應とも考へらるるOr-cin及びBial兩反應を呈し,然も之より得たるParin鹽基に對しAdenin反應を次の如く證明することを得たれば豆モヤシAscorbin酸オキシダーゼはNu_??_leotidによると結論するを得.即ちAdenin反應としてi)醋酸煮沸液に對するCuSO4とNaHSO3によるもの, ii) Kossel反應, iii) Murexid反應及びAdeninpicratの檢出等に於て共に陽性なることを確めたり.
(3) 豆モヤシ酵素試料より調製せるParanuelesin酸は原試料にも優れるAscorbin酸オキシダーゼ作用を有す.
(4) 卵VitellinよりParanuclein酸を調製するとも蛋白質特有の吸收スペクトル280mμの部分は變化しNucleotidの260mμに多少近づく傾向を有するが如し.
(5) 豆モヤシ酵素試料及び卵VitellinのParannclein酸調製處理により共に著しく燐含量を増加し.同時にAscorbin酸オキシダーゼ作用も亦増進するを認む.