日本化學會誌
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米胚芽の酵素含有蛋白質に就て(第三報)
田所 哲太郎高杉 直幹
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63 巻 (1942) 5 号 p. 460-461

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抄録

著者は米胚芽より酵素力ある蛋白質を分離し水溶性もアムモニア可溶性も共にアスコルビン酸オキシダーゼ作用と枸櫞酸デヒドロゲナーゼ作用を有することを證明し,第一報1)として報告せり.第二報には後者の燐含量高く酵母ヌクレイン酸に近似のものはこれより得たるモノヌクレオチード相當のものと共にアスコルビン酸オキシダーゼ作用あり.硫酸銅により促進せられ,枸櫞酸デヒドロゲナーゼ作用はモノヌクレオチードとなり減退せざるも,ペルオキシダーゼ作用は減退すること酵母と同一なるが故に胚芽のものもポリヌクレオチードと推定す.
本報告には12.5%NH4OH液可溶性のものより醋酸及びピクリン酸により沈澱せる蛋白質を除去し,濾液よりアセトンにて沈澱せる蛋白質は次の組成と酵素力を有すと述ぶ.
(1) 無水物中窒素含量12.97%,燐含量13.29%とペントース含量19.77%にあり.この3者の數値は1分子のアデニン, 1分子のニコチン酸アミド, 2分子のペントース, 3分子の燐酸よりなり6H2Oの結晶水を有するものと極めて近き組成にあり.
(2) このヂヌクレオチードに該當する蛋白質はデヒドロゲナーゼ作用を有しN/10H2SO4液による加水分解により1/4~1/3の燐を脱離せるとき枸櫞酸及びフラクトース・デヒドロゲナーゼ作用は顯著となる.

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© The Chemical Society of Japan
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