79 巻 (1958) 4 号 p. 499-504
コバルトあるいは鉄のカルボニルを触媒とする, アゾベンゼンと一酸化炭素の反応により,反応温度230℃ では3-フェニル-2, 4-ジオキソ-1, 2, 3, 4-テトラヒドロキナゾリンを, 反応温度190℃では2-フェニルインダゾロンを, それぞれ好収率に生成する一酸化炭素の興味ある反応を見出した。一方2-フェニルィンダゾロンは同様にカルボニル触媒により一酸化炭素と230℃で反応して好収率に3-フェニル-2,4-ジオキソ-1, 2, 3, 4-テトラヒドロキナゾリンを生成すとを見出した。したがってアゾベンゼンからキナゾリンを生成する反応の中間段階としてインダゾロンの生成が考えられる。これらの反応は一酸化炭素の新反応であって, アゾベンゼンを用いたキナゾリン環およびインダゾロン環生成の最初の例である。
キナゾリンは水酸化アルカリにより容易に加水分解されてアントラニル酸を好収率に生成し, アントラニル酸の工業的な合成法ともなりうると考えられた。