1960 年 81 巻 11 号 p. 1766-1769
日本産ねず(Juniperus rigida Sieb et Zucc.)の毬果から得た精油,イタリア産杜松実(Juniperus Communis L.)から得た精油,および市販の2種類のジュニパーベリー油についてそれらの成分をそれぞれ検索した。
日本産ねずの精油から,α-ピネン(36・3%),ミルセン(12.9%),Δ3-カレン(0.8%),リモネン(1.6%),p-シメン(0.9%),β-エレメン(2.0%),カリオフイレン(0.4%),フムレン(0.4%),γ-カジネン(0.2%)aテルピネン-4-オール(0.02%),ボルネオールとシトロネロールの混合物(0.20%),主成分酢酸ボルニルのほかに酢酸テルピニルと酢酸シトロネリルとを含む混合物(0・13%),アネトール(0.05%),推定沸点229℃の未知不飽和炭化水素(0.68%)をそれぞれ分離し,さらに未確認セスキテルペン炭化水素4種類の存在をみとめた。また上記外国産の3種類の精油について,サビネン,カンフェン,α-テルピネン。γ-テルピネン,テルピノーレン,α-テルピネオール,カプリル酸エチル,およびbp223°~225℃の未知不飽和炭化水素の存在を確認した。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。