日本化學雜誌
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シクロヘキセン誘導体の構造化学的研究(第7報)シクロヘキセン誘導体における反転異性体のエネルギー差
坂下 潔
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81 巻 (1960) 12 号 p. 1783-1785

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抄録

反転異性体のポテンシァルエネルギー差に関し,シクロヘキセン誘導体相互の関係,およびこれに対応するシクロヘキサン誘導体との関係について考察した。まず,非結合原子間のポテンシァルエネルギーの加成性を仮定して,つぎの関係式を得た。
E4e5e-E4a5a2+(E4a- E4e)=Eg-Et
ここでE4e5e-E4a5a,E4a-E4e,EgEtはそれぞれ,4,5-ジハロゲンシクロヘキセン-(1),4-ハロゲンシクロヘキセン-(1),1,2-ジハロゲンエタンの異性体間のエネルギー差で,添字は異性体の構造を示す。ついで4,5-ジブロムシクロヘキセン-(1)の気態のE4e5e-E4a5aを,溶液のE4e5e-E4a5aと赤外線吸収強度の溶媒効果から算出して,この関係式の正しいことを確かめた。その結果4,5-ジハロゲンシクロヘキセン-(1)のE4e5e-E4a5aとトランス-1,2-ジハロゲンシクロヘキサンのE1e2e-E1a2aの差は,ハロゲンシクロヘキセン-(1)のE4a-E4eとハロゲンシクロヘキサンのEe-Eaの差に帰せられる。
トランス-1.4-ジハロゲンシクロヘキサンのE1e4e-E1a4eとハロゲンシクロヘキサンのEa-Eeの間の関係と同様の関係が,3,6-ジブロムシクロヘキセン-(1)のE3e6e-E3a6と3-ブロムシクロヘキセン-(1)のE3a-E3eの間に成り立つものと仮定して3,6-ジブロムシクロヘキセン-(1)のE3e6e-E3a6aを推定した。噺推定値はこの分子に(3a,6a)構造しか見いだされていないことが十分理解し得る大きなものである。

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