抄録
青森県および秋田県の 14 ヵ所, 26 泉源の分析結果を示し, 各温泉の化学的特徴および湧出機構などについて考察した。前に第 41~48 報で報告した北海道各地の温泉では, 酸性泉および比較的高濃度の温泉が少ないのでとくにこのような温泉のある地域に注目して研究した。青森県には全体として HCO3 型の温泉がなく,すべて Cl 型, SO4 型となり, また蒸発残留物の多い Cl 型の温泉,また火山活動に密接な関係があると思われる酸性泉を中心とする温泉群が多く, 化学成分の起源などについて考察する場合の重要な資料となると考える。このような観点から, これらの温泉の特徴が化学成分の上からどのように表われているか, また湧出機構などを各地域ごとに考察した。