日本化學雜誌
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アイソタクチックポリプロピレンの X 線回折図における異常干渉点
粟屋 裕
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82 巻 (1961) 12 号 p. 1575-1577

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抄録

アイソタクチックポリプロピレンの繊維のX線回折をしらべたところ,第 1 層線上に 2つの弱い干渉点を発見した。このパターンは Natta-Corradini の構造によれば,(011)と(111)の反射と解されるが,(011)は Natta らによると消滅則によって禁止される線である。一方,これらの干渉点の格子間隔は,(110),(130)と近似している。そこでこの2つの干渉点がいかなる原因によって生じたものか検討してみた。
配向していないポリプロピレンの板を切りだして,種々の割合に冷延伸した試料,およびそれを熱処理した試料について,それぞれ X 線回折写真をとり,ポリプロピレンが無配向状態から繊維組織をとってゆく過程をしらべてみた。
その結果,延伸していくにつれて, a,b 軸は延伸方向に垂直に, C軸は延伸方向にならんでいくが, a軸のごく一部は延伸方向にとりのこされるため,(110)と(130)の反射が第 1 層線上にあらわれるものと推定した。

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© The Chemical Society of Japan
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