種々の分散媒を用いてベントナイトペーストをつくり,円錐円板型粘度計を用いてペーストの粘弾性を測定した。その結果ペ一ストにはずり応力に関して下限界と上限界の質的に異なる二つの限界値が存在し,その中間に粘弾性的変形が顕著にあらわれる領域のあることを見いだした。下限界値以下では変形は観測されないが,それを越して生ずる粘弾性的変形は膨潤性の媒質と非膨潤性の媒質とでは応力に対して異なる挙動を示す。上限界値はペーストの内部構造にずり破壊が生ずる限界値を示すと考え,圧縮破壊および土質力学で用いられている直接二面セン断試験の実験結果と比較した。その結果,上限界値はずり破壊に関係した値で,一般に膨潤性媒質中にくらべて非膨潤性媒質中では小さい値を示す。またベントナイト濃度cに関して上限界値σ2*は次式であらわされることなどが見いだされた。
σ2*=A exp(k・c)
ここにAおよびkは定数である。