84 巻 (1963) 3 号 p. 199-201,A15
高分争電解質は一般に中性塩溶液にくらべて純水溶液で顕著な異常現象が認められるが,自由拡散の異常性についてはデオキシリボ核酸(DNA)の他に知られていない。ポリアクリル酸ナトリウムの場合にも類似した膨潤現象として溶液溶媒界面が溶媒側へ規則的な移動を示すが,界面の濃度勾配分配はDNAの場合とまったく外観を異にしている。その原因として後者は分子間水素結合による3次元的網団構造形成の可能なことと,ポリアクリル酸ナトリウムにおいてかかる構造の存在しないこととの相異によると解される。また溶媒の浸透速度の非常なはやさから漫透圧効果が現象を支配していることが認められる。