85 巻 (1964) 12 号 p. 828-832,A64
微分容量法(Grahameの方法)による水銀-水溶液界面における吸着現象に関する一連の研究として,2種の吸着性物質を同時に含む系(ドデシル硫酸ナトリウム(SC12S)とオクチルアルコール(C8OH)系,およびSC12Sとポリエチレングリコール(PEG,分子量200~1500)系)が取り扱われ,競争吸着の立場から議論された。
SC12S-C8OH系においては,微分容量-加電圧曲線に現われる極小値の検討,すなわち混合系における値が,単独系における飽和吸着と考えられる場合の値よりも小さな値を示すことから,両分子(イオン)は吸着に際して協調的な相互作用を示すことが明らかとなった。これに対しSC12S-PEG系では,おのおのの分子(イオン)は一方の濃度を増加させることにともない,吸着物質は置きかわり,両分子(イオン)は独立的ないし排他的な吸着を示すことが明らかとなった。
また,吸着層内の分子(イオン)間の相互作用が吸着力にきわめて重要な要素であることが結論された。また,PEG分子は水銀表面においてほぼ平面的な吸着をするものと考えられた。