85 巻 (1964) 6 号 p. 377-383,A31
1932年,鈴木らによりはじめて石コクからアルカロイドが単離され,デンドロビンと命名された。現在までその構造に関してはほとんど知られていない。著者らは鈴木らと同様な方法で石コクから2種類のアルカロイド(デンドロビン,ノビリン)を得た。従来の化学反応(Hofmann分解,アルカリ分解,酸化,還元など)以外にとくに質量スペクトル,核磁気共鳴吸収スペクトルを活用し,さらにデンドロビンのアセチル化の結果から立体配置をも考慮して,デンドロビンおよびノビリンに対し,それぞれXXI,XXI式を与えることができた。上記アルカロイドの炭素骨核はテルペンにおいてよく知られているイソプレン則にしたがわないが,セスキテルペンに属するピクロトキシニンのそれに完全に一致している。