87 巻 (1966) 11 号 p. 1236-1238,A70
アミドクロリドが強力な陽性試薬で,これが解離によって生成したアミドクロリドカチオンに基づくことは,これまでの種々の研究結果から十分明らかである。
著者らは,これまでにアミドクロリドの付加反応について一連の研究を行なってきたが,本報では置換反応に関する新しい結果について報告する。活性水素化合物による置換反応については,これまでに詳しい研究があるにもかかわらず,同じく典型的な陰性試薬である含金属求核試薬-たとえば,グリニャール試薬,水素化アルミニウムリチウムなどとの反応についてはいまだに報告がない。他の陰性置換反応と同様に考えるならば,これらの反応ではおのおの炭素陰イオンや水素陰イオンが,アミドクロリドの塩素を置換することが予想される。