日本化學雜誌
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カルベンおよびその錯体の有機反応に関する二三の研究
野崎 一高谷 秀正野依 良治
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87 巻 (1966) 12 号 p. 1261-1277,A73

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抄録

カルベソ類は典型的な不安定体であり,新たな合成手段を提供する。反応性はスピン多重度,錯体形成などに強く支配される。カルベン反応の基礎的知見を蒐集,整理し,合成に利用することを目的とし,本研究を行なった。
Bamfbrd-Stevens反応によりフェニルカルペンを発生させ,反応性,なかでも芳香族炭化水素との反応を調べた。フェニルカルベンはこの条件下では求電子的一重項としてふるまう。
ジァゾ酢酸エチルから生じるカルボエトキシカルベンと小員環工一テルとの反応では一重項がエーテル酸素に配位したイリド体を仮定し,各種生成物が説明できることを示した。
ジフェニルケテンの溶液内光分解では三重項の反応だけでなく,ジフェ二ルアセチル,ベシズヒドリルなどの遊離基と溶媒のそれとのラジカル対の反応が重要であることがわかった。
ジフェニルジアゾメタンの分解は銅錨体によって促進されるが,このときカルペンのラジカル性は完全に消失し,求電子性がいちじるしく増すことがわかった。
カルペノイドは反応の選択性が大で,合成的に有利である。1,5,9-シクロドデカトリエンおよび関連体に適用し,大員環体の合成を行なった経過について述べる。

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© The Chemical Society of Japan
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