日本化學雜誌
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グリシンクレゾールレッドを発色剤とする鉄(II)の吸光光度定量法
酒井 堂兆佐藤 育子
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87 巻 (1966) 4 号 p. 372-375,A21

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抄録

グリシンクレゾールレッドは鉄(II)と反応し,赤色の安定な錯体を生成する。この錯体は515mμ付近に吸収の極大(試薬ブランク対照)をもち,溶液のρH5.1~5.3において最高の吸光度を与える。モル吸光係数は3.4×104である。発色には60℃に15分程度の加熱を要するが,生成する錯体は3時間は安定である。本法によって2.8~40μg/25ml(0.1~1.6ppm)の鉄(II)を定量することができる。感度は,吸光度0.001の変化に対して0.003μg/cm2である。多くの2~4価金属イオンは本法に妨害を与える。また,NTAやEDTAなどのキレート試薬は錯体の発色をいちじるしく妨げる。連続変化法およびモル比法によって,生成する錯体の組成を求めた結果,鉄(II)と試薬はモル比で1:3の組成をもつことがわかった。上の結果からこの錯体の見かけの生成定数は23×1015と計算された。

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© The Chemical Society of Japan
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