日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ケイ光X線分光法による各種合金成分の分析と微量元素の定量
広川 吉之助後藤 秀弘
著者情報
ジャーナル フリー

87 巻 (1966) 5 号 p. 383-390,A23

詳細
PDFをダウンロード (508K) 発行機関連絡先
抄録

ケイ光X線分光法により各種合金成分の分析法を研究した。まず検墨線法においてたがいに重複し合うスペクトル線に対するバックグランドの補正式を提出し,この補正式をスズーアンチモン合金の合金成分や特殊鋼中のマンガンやクロムに適用した。一方,Ia=KaIaOWsμaWaの式が共存元素の影響を知るのに有力な手段であることをクロムー鉄合金を始め数種の二元合金や二元系混合物を使用して計算ならびに実験により確認した。さらにこの式を出発点として,これに添加法の考え方を導入した棟準試料を1個ないし2個を使用するケイ光X線分析法を創案した。例として標準試料を2個使用する場合の式をつぎに示す。
微量元素の分析法は検最線を使用した非破壊法による非鉄地金中の不純物元素の定量はもとより,マトリックスを分離して共存元素の影響を除く方法として有機質沈殿分離法による鉄,銅,ウランなどの微量分析法とそれらの応用についても研究した。しかも従来ケイ光X線法でまったく行なわれていなかった合金薄膜の組成・厚さの同時決定法をパーマロイ薄膜(2μ以下)にっいて研究し,同時定量のための実験式として下記の式が得られた。
(0.282-0.39wFe).log(1-Id/1∞)Fe=(0.39wFe+.008).log(1-Id/I∞)Ni
log(1-Id/I∞)Fe=-0.434(0.39wFe+0.008)・d
さらにこの合金薄膜の分析には下地元素の影響として吸収端効果ともいい得るX線の励起効果(ケィ光X線の発生)を認めた。そしてこの効果を微量元素分析の感度上昇に応用した。

著者関連情報
© The Chemical Society of Japan
次の記事

閲覧履歴
後続誌

日本化学会誌

feedback
Top