日本化學雜誌
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環状ペプチドの合成
加藤 哲夫大野 素徳牧角 啓泉屋 信夫
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87 巻 (1966) 6 号 p. 493-508,A29

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抄録

天然にはグラミシジンS,チロシジンAのような抗菌性環状ペプチドがかなり見いだされている。これらペプチドの構造と生物活性との関連を明らかにする目的で,数種の環状ペプチドを合成し,その性質を比較した。まず環状ペンタグリシル-L-リシルを合成し,環状化反応の条件などを検討した。ついで抗菌性環状ペプチドのモデルとして,数種のジペプチド無水物,2種の環状ヘキサペプチドを合成したが,これらはいずれも抗菌性を示さなかった。さらに,グラミシジンSのアナローグである環状デカペプチド,ならびにこれらと同様なアミノ酸配列をもつ環状ペンタペプチドの合成を行なった。合成されたペプチドのうち,環状デカペプチドアナローグのみが抗菌性を示した。しかし環状デカペプチドのうちでも,バリンとプロリンとをグリシンにかえたもの,およびD-フェニルアラニンをL-フェニルアラニンにかえたものでは抗菌性は認められなかった。
一方天然の環状ペプチドの有機合成をも試みており,チロシジンAの全合成が最近完了した。合成品の物理化学的諸性質ならびに生物活性は天然品と同一であった。

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© The Chemical Society of Japan
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