88 巻 (1967) 2 号 p. 130-133
1,3-ジクロルプロパンの遠赤外スペクトル,赤外スペクトル,ラマンスペクトルを測定し,うち赤外スペクトルと遠赤外スペクトルについては,その温度効果,溶媒効果に関する観察を行なった。
温度効果に関しては液体窒素温度における固体スペクトル,ドライアイス-アセトン系の寒剤温度における低温液体スペクトル,常温における液体スペクトルの三者を測定,比較し,吸収帯が固体で強くなるものa固体で弱くなるもの(またはまったく消失してしまうもの),でも固体でもあまり強度の変わらないものの3種に分類できることを発見した
。1,3-ジクロルプロパンには,GG,TG,TTの3種の回転異性体が考えられるが,このうちGG型がもっとも安定であり,固体ではGG型,液体では三つの型が共存していることがすでにわかっているが,著者らの得た上記の実験結果もよくこの事実を支持することがわかった。
またこの分子を5体問題として取り扱って基準振動の計算を行ない,なされた帰属の誤っていないことを確かめた。