88 巻 (1967) 6 号 p. 648-652
1・2-ジペンゾイルエチレンオキシドの化学的還元や1,2-ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エチレンオキシドの接触還元についてはすでに報告されている。 著者は1,2-ジベンゾイルエチレンオキシドを接触還元したとき触媒の種類によってカルボニル基とエポキシド基のどちらが還元されやすいかを調べるために実験を行なった。用いた触媒はラネーkニッケル,パラジウム-炭-A,パラジウム-炭-B,酸化白金およびこれらに酸あるいはアルカリを添加したものであるが,吸収した水素の量によってはもちろん触媒の種類によってもそれぞれ特徴のある生成物が得られた。ラネーニヅケルを触媒にしたときは水素の吸収,lmo1あるいは2mo1で1,2一ジベソゾイルエタノールと1,2一ジベンゾイルエタソが得られ,3mol吸収で後者と3-ベンゾイル-1-フェニルプロパン-1,2-ジオールが得られた。パラジウム-炭-Aでは1,2-ジベンゾイルエタノールと2,5一ジフェニルフランが得られたが,パラジウム-炭-Bでは前者が圧倒的に高い収率で得られた。また酸化白金では水素吸収1molで 3-ベンゾイル-2,3-エポキシ-1-フェニルプロパン-1-オールが生成物の一つとして得られた。著者はこれらの結果につき考察を加え反応機構についても論じた。