88 巻 (1967) 8 号 p. 838-843
重水素をトレーサーとしたガスクロマトグラフ法により, 担体付白金およびパラジウムの水素可逆吸着量を測定した。その際の担体の影響を調べた。
アルミナ. ケイソウ土. シリカはいずれもごく低温において, 可逆吸着量があった。アルミナは100℃以上で物質収支が悪かったが, シリカとケイソウ土は300℃まで物質収支がよく, 担体として使用可能なことがわかった。しかし金属を担持させることにより, 高温で気相の重水素と担体の持つ水酸基の水素とが容易に交換し, 保持容量を増大させる。この交換の関与してくる温度域では金属への水素可逆吸龍を測定することができなかった。これはトレーサー実験ではとくに注意すべきことである。
白金触媒では-195℃から200℃まで温度上昇とともにいちように吸着量が滅少し,吸着状態を区別するような温度変化はみられなかった。 パラジウム触媒では, 相の違いによる表面水素濃度の違いをあらわす可逆吸藩量が測定された。