超音波パルス法を用いてボリスチレン固体中の縦波の音速度と吸収の温度による変化を調べた。測定の温度範囲は-150°から70℃, 周波数は2.0, 2.5, 4.OMcである。音速度はどの周波数においても温度が上昇するとほぼ直線的に低下し, 同一温度では周波数の上昇にしたがって増加した。吸収は同一温度では周波数とともに増大し, 一定の周波数では温度とともに増加する傾向を示すが吸収-温度曲線の形は周波数によって異なる。すなわち, 2,0Mcでは35℃の辺になだらかな部分が現われ, 2.5Mcではこの部分が減少してやや高温側へ移動した。4.OMcではなだらかな部分は消失し, 曲線は温度の上昇とともに単調に増加するものとなった。
ポリスチレンには50℃付近に転移の存在することが力学的測定などから認められているが, 今回測定した高周波領域では音速吸収ともにこの転移による50℃近傍の異常が検出されなかった。