89 巻 (1968) 2 号 p. 129-135
4000~3000および8000~4000cm-1の領域において水とメタノール,エタノール,1-プロパノールの混合溶液の吸収スペクトルを観測した。
4000~3000cm-1の領域では水とアルコールの混合物を四塩化炭素に溶解して水酸基の伸縮基準振動を観測した。アルコール水分子間水素結合による吸収帯と水およびアルコールの自己会合による吸収帯を区別することはできなかった。
8000~4000cm-1の領域ではアルコールと水の混合物を四塩化炭素に溶かさず直接スペクトルを観測した。水酸基伸縮2倍振動について,吸収帯の形や強度は組成に対して変化している。
アルコール低濃度の溶液では,6883cm-1に極大点を有する幅広い吸収帯の高波数側の強度が純水のそれにくらべて減少している。しかしアルコール高濃度の溶液においては,この吸収帯に対して混合による特別な変化が見られない。
これらのスペクトルと混合溶液中の分子状態との関係について若干考察した。