90 巻 (1969) 4 号 p. 380-383
リン酸中において白金を指示電極とし,参照電極に飽和カロメル電極を用いて,銅(II)の鉄(II)溶液による電位差還元滴定について研究した。その結果・リン酸中で臭素イオンまたは塩素イオンが存在するときには反応が進行して滴定曲線がえられ,この還元反応はハロゲンイオンが銅(II)に対して等モル量以上共存することが必要であった。溶媒のリン酸濃度については13mo1/l以上で定量に適する電位変化を生じた。以上のことから,14mol/lリン酸中で2-25倍モル量のハロゲンイオンの共存下で銅(II)の定量を行なったところ.臭素イオン共存下では相対誤差±2%以内の良好な定量結果をえた。銅(II)と臭素イオン共存のリン酸溶液は290mμ に極大吸収を示し,錯体の生成が認められた。この吸収を利用して連続変化法および平衡濃度法により検討した結果.この錯体の組成はCu:Br=1:1で,安定度定数は室温で0.87あった。滴定による反応生成物の白色沈殿は臭化銅(I)であることがわかった.