90 巻 (1969) 5 号 p. 487-489
原子吸光分析の予混合パーナーの噴霧室を加熱した場合に,その吸収強度の増大機構に関係する二三め因子について検討した。吸収強度増大の主要因子は,フレーム中への微細化試料の送入量が増加するためである。しかし多量の試料がフレーム中へ入るとフレームの温度の低下が考えられ,その現われとして感度増大の程度に大きな差が認められた。すなわち加熱による感度上昇の割合の大きさは,Cu>Fe>Ca>Zn>Mg>Crとなり,大別してフレーム中で安定な化合物を生成しやすい元素ほど上昇の程度が低かった。したがってフレームの熱容量が大きいほど加熱による効果が大きい。加熱によるフレーム中への送入効率は噴霧室,バーナーなどの一連の形状によって左右される。したがって噴霧室の温度と吸収程度の関係曲線はこれによって異なる,ことなどが明らかになった。