91 巻 (1970) 6 号 p. 581-584
グリシンはカルボン酸の存在下で熱重縮合してグリシンオリゴマーのアシル誘導体を与えるところから,カルボン酸として不飽和酸を用い, さらに二次重合可能のグリシンオリゴマーの不飽和アシル体を得る目的で,表記研究を試みた。その結果,重合度約10のグリシンオリゴマーのアシル体が得られたが,ヨウ索価はいちじるしく低下しており,これは低分子のα,β-不飽和酸の場合とくに顕著である。この原因は,多量のガスを副生すること,加水分解結果などから不飽和結合での重合よりも,むしろ不飽和アシル基の分解・あるいはそこへの分解断片の付加によるものと推定した。なお,グリシンの熱重縮合における反応温度は共存カルボン酸の分子量が大きいほど高温を必要とすることが明らかとなり,前報で無効であったラウリン酸,バルミチン酸もさ温らに高では好収率でグリシンオリゴマーを与えることがわかった。