日本化學雜誌
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リン酸とγ-アルミナ,水酸化アルミニウムおよび金属アルミニウムとの反応生成物とその酸性質
津波古 充朝本岡 達小林 正光
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1971 年 92 巻 12 号 p. 1131-1135

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抄録

リン酸と各種アルミニウム化合物との反応において,用いるアルミニウム原料によってその反応性はおおいに異なる。したがって同一のモル比R(Al2O3/P2O5)および加熱温度で反応させても,生成する各種リン酸アルミニウムの生成物の混合割合はやや異なる。ただし,一般的な傾向としてモル比Rが大で低温では,AlPO4ができやすく,またRが小で高温では,四メタリン酸アルミニウムAl4(P4O12)3ができやすいことが認められる。したがって,その酸性質はアルミニウム原料が異なれば,同じモル比R,同じ加熱温度でつくっても異なる。これは生成するリン酸アルミニウムによるものであるが,酸性度は主として未知物質K(20=11.2°に強いX線回折ピークを有する物質)に依存しているので,物質Kに着目するならば,両者は比例関係にある。いいかえれば,本法で得られるリン酸アルミニウムの酸性度が大きいのは未知物質Kによるものである。
また各種アルミニウムとリン酸との反応により作製したリン酸アルミニウムの酸性度は酸強度pKaが+1.5付近に集中している。

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