日本化學雜誌
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ニトロ化合物のKjeldahl分解反応に関するー考察
森田 弥左衛門小暮 幸全
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1971 年 92 巻 12 号 p. 1166-1169

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抄録

Kjeldahl法がすべてのニトロ化合物に適用されるような分解条件を明らかにするため,さきに報告した各種の方法でその反応を検討した。
その結果,初めから高温で分解すると,ニトロ化合物はアミノ化合物より一般に親和性が低く,しかもこの場合は酸化反応に対する還元反応の割合がきわめて小さいから一般に窒素分析値は理論値より低い。これは窒素分子や窒素酸化物を生成する反応に起因するのではなく,試料の揮発または昇華による消失であることを既報の式x⁄w=K・αによって確かめた。また分解初期に炭素-窒素結合の切断によるアンモニアの生成をともなう縮合反応が起こることを明らかにした。
結論として,分解の初期温度は可及的低温でなければならず,しかもそれがショ糖のような還元剤の存在で行なわれるならば, Kjeldahl法はN-N結合の基をもたないすべての芳香族ニトロ化合物に適用できる。

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© The Chemical Society of Japan
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