日本化學雜誌
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伝導度法による水和分子数の計算
中原 藤清水 澄大杉 治郎
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92 巻 (1971) 9 号 p. 785-789

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抄録

伝導度の測定から水和分子数を計算するRobinson-Stokes1)の方法を, 2Åより小さなStokes半径をもつイオンにも適用できるように拡張した。またこのRobinson-Stokesの方法によって求められる水和分子数, hのもつ物理的意味を明確にした。 h=hol(静電気的水和)+hHB(水素結合による水和)+hcor(配位結合による水和)となった。すなわちhは疎水和2)3)とか第二種水和4)と呼ばれる非常解質的水和を除く他のすべての因子を含むと考えられた。この拡張によって, Stokes半径が小さいために伝導度法からはからは求められていなかった多くのイオンの水和分子数が得られた。この水和分子数を同じ結晶半径と電荷をもつイオン間で比較すると,ハロゲンイオンと遷移金属イオンの値よりも大きく,それぞれhHBhcorの寄与が重要であると結論された。また伝導度という輸送現象から得られたこれらの水和分子数の大小関係が平衡的性質である水和エンタルピー5)のそれと対応することが明らかにされた。さらに水和分子数は100°Cまでの広い温度範囲にわたって,温度依存性わほとんどもたないことがわかった。

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© The Chemical Society of Japan
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