1975 巻 (1975) 8 号 p. 1322-1327
N,N'ービス(1-アセチルエチリデン)-m-フェニレンジアミン[1]ならびに-p-フェニレンジアミン[2]の銅錯体を合成し,元素分析や分子量を測定して組成を決定したのち,赤外ならびに電子スペクトルや磁気モーメントから錯体の構造を推定した。水酸化銅または酢酸銅から合成した[1]の錯体[3]は(CuL)2で示される擬四面体型の構造が考えられる。水酸化銅から合成した[2]の錯体[4]を数種の溶媒に対する溶解度の差から分離すると,H2CUnLn+i(n=1~4)で示される多核錯体が得られた。これらの錯体は固体状態では平面正方型であるが,クロロホルム中では擬四面体型に変化する傾向がある。酢酸銅から合成した[2]の錯体[4j]の組成はCu2L(OAc)2で示されるが,構造を議論することができなかった。