1976 巻 (1976) 2 号 p. 274-277
三酸化硫黄SO3によるアントラキノン(以下AQと略記する)のスルホン化における硫酸水銀および硫酸パラジウムの触媒活性を,溶媒を硫酸からスルホランに替えた場合について検討した。
硫酸水銀を触媒とした場合,SO3-スルホラン系による反応では発煙硫酸による場合と異なり,ジスルホン酸などの翻生物がなく,α-およびβ-モノスルホン酸のみを与えたが,α体選択率は最高80%程度であり,長時間反応させるとα体からβ体への異性化が起きた。これに対し,可溶性硫酸パラジウムを触媒に用いると,α体が97%以上の選択率で生成した。
硫酸パラジウムを触媒とする,SO3-スルホラン系による反応の条件を検討した結果,反応温度約110~150℃,SO3/AQ=0.5~1.0(モル比),PdSO4/AQ=2~3wt%において,α 選択性およびモノスルホン化率ともに最高の値が得られた。