日本化学会誌(化学と工業化学)
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亜鉛フェライト中の過剰の酸化鉄の挙動
木村 敏夫山口 喬
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1976 年 1976 巻 6 号 p. 865-868

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抄録

化学量論組成より過剰の酸化鉄を含む亜鉛フェライトの加熱時の変化を,もDTA,TGA,X線回折お.よび化学分析塗用いて組成の関数として調べた。低温で加熱すると酸化反応だけが起こるが,高温では酸化と同時にα-Fe2O3が析出する。フェライトの濃度が増加すると酸化速度は減少する。あらかじめ低温で酸化した試料からのα-Fe2O3の析出の等温速度式は誘導期間のある1次反庵速度式,109(1-α)=-k(t-t0)(t0は誘導期間)で表わされた。この過程の活性化エネルギーは30.0±0.5kcal/molで,フェライトの濃度によらず一定であった。ZnをNiで置換すると析出速度は減少した。これらの結果は陽イオン分布により説明された。

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