日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
還元物質共存時におけるクロム(VI)の吸光光度定量法
中田 清志早川 亮太
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1976 巻 (1976) 9 号 p. 1387-1390

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抄録

硫化物イオンおよびその他の還元性物質が共存する溶液中の微量クロム(VI)のジフェニルカルバジドによる吸光光度定量法を検討した。
硫化物イオンとクロム(VI)が共存するアルカリ性溶液にDPCを作用させたのち,酸性にするとクロム-DPCキレートの生成が見られた。諸条件を検討したところ,(1)DPC添加時のpH8.5,(2)DPCの添加量:最終容量50mlに対し,2%DPC溶液4ml,(3)DPC添加後の放置時間は5分が最適条件であった。これらの条件下で還元性物質の影響を調べたところ,クロム(VI)0.4×10-6molに対し,硫化物イオンは20倍,亜硫酸イオン,チオ硫酸イオンおよび亜ジチオン酸イオンはそれぞれ10倍,さらに,亜硝酸イオン,シュウ酸イオンおよびヒドロキシルアミンはそれぞれ200倍でも妨害を示さず,定量ができた。さらに,亜硫酸イオンについて,標準添加法を用いてクロム(VI)の定量を行なったところ,200倍モルの亜硫酸イオンの共存でも十分にクロム(VI)の定量が可能であった。

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© The Chemical Society of Japan
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