1977 巻 (1977) 10 号 p. 1496-1501
ウレタン化合物の紫外線による影響の砺究の-環として,本報では,ポリエステルージオールージフェニルメタンー4,4'-ジイル=ジインシアナート系と,ポリエステルージオールー4-メチルー勉-フェニレンジインシアナート系の熱可塑ポリウレタンのモデル化合物を乾式法で合成し,これらの固体フィルムの紫外線に対する挙動から光劣化の反応機構を解明した。
その結果,光反応速度はウレタン基濃度と相関関係があった。
樹脂の有効橋かけ密度は,光照射の初期段階でいったん低下してから増加する傾向を示した,これとよく対応し樹脂の比重は,初め減少し,ついで増加する傾向が認められた。
また,ケイ光スペクトル,UVスペクトル, IRスペクトル, GPCなどを測定して光反応の初期殺階でウレタン結合のカルボニル基とアミノ基の結合が切断し,その後,橋かけによって分子量が増加することがわかった。また,長時間光照射をつづけると分子は寸断されるごともわかった。さらに,ESRの測定からラジカル種の存在が確認された。
以上の事実から,ポリウレタン化合物は,光反応の初期段階でモノウレタンやジウレタンと同様にアミノ化合物を求電子的に与えている。つぎの段階では酸素の影響も受けて橋かけ反応などが起こり分子構造が若干変化し,着色物質が形成されると考えられ,この段階ではラジカル種が反応を支配していることも判明した。