1977 巻 (1977) 11 号 p. 1669-1672
エステル結合を有する3価のアンチモン化合物と無水酢酸をモル比を変えて反応させ,その反応生成物を検討した。等モル反応においてはアンチモンー酢酸塩と酢酸アルキルが定量的に生成し,また無水酢酸を3倍モル使用すると三酢酸アンチモンと3倍モルの酢酸アルキルが生成する。本反応のアルキル基をエチル,プロピル,インプロピル,ブチル,インブチル,5-ブチル,シクロヘキシル,-ブチルと変化させ,等モル反応の初期反応速度を赤外吸収スペクトルで残存無水酢酸の量を追跡することにより反応機構を推定した。反応は二次の速度式にしたがう。また,かブチルの場合を除いて,Taft式にしたがいそのp*値は正の値を有し,反応はアンチモン原子への無水酢酸のエステル酸素が求核的に攻撃する機構を通ると考えられる。