1977 巻 (1977) 8 号 p. 1205-1210
次式で示すような主鎖にトリエチレンジアンモニウム(TDA)環を含むポリカチオンの7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)塩を合成した。比抵抗p,電導の活性化エネルギーE.およびX線回折の測定を行ない,ポリカチオン構造と灘電性の相関について検討した。
(I)-TCNQ simple saltのEaはメチレン基数(n)に関係なく0.2~O.3eVを示した。これはメチレン連鎖と比較して狭いイオン席間隔をもっTDA環がsimplesaltの導電性を支配したためと考えられる。また(I)-TCNQ complex saltでは,p,Eaともにn=3,5のときよりn=4,6のときの方が小さく,メチレン基数の違いにより電導度に差が認められた。X線回折結果から調べた結晶性の大小の傾向とも一致した。これはポリカチオンの立体構造の違いがTCNQカラムの配列に影響を与えた結果であろう。